クールジャパン産業(アニメ・日本料理・ゲーム・漫画)の外国人雇用

クールジャパン産業(アニメ・日本料理・ゲーム・漫画)の外国人雇用

日本に留学に来る外国人留学生の数は年々増加していますが、現在の制度では外国人留学生が日本で働くための要件が厳しすぎるため、日本で働きたくても在留資格を取得できずに帰国するというケースもあります。

そこで優秀な外国人材の定着促進を図るために制度の緩和も検討されています。

特にアニメーションや漫画、ゲーム、日本料理など「クールジャパン戦略」に関係する産業で外国人留学生が就職しやすくなるよう在留資格の適用範囲拡大が進められています。

それでは、「クールジャパン戦略」に関係する産業で外国人留学生がどのように就職しやすくなるのかを分かりやすくご説明したいと思います。

 

就労ビザとは

専門的・技術的分野の在留資格外国人が日本で働くためには、日本で就労することが認められている在留資格を取得する必要があります。

これら日本で働くことができる在留資格は「就労ビザ」とも呼ばれます。

就労ビザと言えば「経営・管理」「技術・人文知識・国際業務」といった在留資格が一般的なのですが、取得の条件が非常に厳しく、原則として会社経営者又は事務職のようなホワイトカラーの職種にのみ認められる在留資格です。

(詳しくは『経営管理ビザとは』『技術・人文知識・国際業務とは』でご説明していますので、ご参照下さい。)

就労不可のビザであっても、「資格外活動」という許可を取ることで、条件付きで就労できる場合があります。

代表的なものは、留学ビザの留学生がアルバイトをするケースです。

留学ビザは原則として就労は不可ですが、資格外活動の許可を取ることで、週28時間以内の就労ができるようになります。

(詳しくは『資格外活動とは』でご説明していますので、ご参照下さい。)

 

特定活動ビザとは

外国人が日本に在留することができる在留資格は、経営・管理や技術・人文知識・国際業務などの他にも、外交、芸術、報道、興行、技能実習など30種類近くあります。

しかし、30種類前後で全ての活動を網羅することは難しいため、「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」に従事する外国人には「特定活動」という在留資格があります。

要は「その他の在留資格」といったイメージです。

特定活動ビザは、高度な研究活動、大学卒業後の就職活動、外交官の家事使用人、ワーキングホリデー、インターンシップなど幅広い活動が対象となります。

在留期間も「3月、6月、1年、2年、3年、4年、5年、5年を超えない範囲で法務大臣が指定する期間」と法務大臣の裁量で幅広い範囲の期間が指定されます。

特定活動ビザは就労ビザではありませんが、就労が認められる場合もあります。

 

クールジャパン産業で就労する外国人留学生ビザ

クールジャパン産業で就労する外国人留学生ビザ外国人留学生がアニメ、デザイン、食などの専門学校を卒業して日本で就職する場合、今までは「技術・人文知識・国際業務」という在留資格をとる必要がありました。

技術・人文知識・国際業務ビザとは」のページでご説明していますように、技術・人文知識・国際業務ビザという在留資格は単純労働は認められていません。

例えば、アニメ制作会社において,「絵コンテ等の構成や原画の作成といった主体的な創作活動に従事する業務内容」であれば許可されますが、「主体的な創作活動を伴わない背景画の色付け作業等の補助業務にのみ従事する業務内容」では技術・人文知識・国際業務ビザは取得できません。

日本料理人となる場合、調理師免許の取得資格を得た外国人が、農林水産省が実施する「日本料理海外普及人材育成事業」の対象となって5年間調理に関する技能を要する日本料理の調理に係る業務に従事する場合、特定活動ビザが認められますが、接客や単純にチェーン店の調理などの業務では許可されません。

特定活動ビザのところでご説明しましたように、特定活動の在留資格が得られる分野は法務大臣が個別に指定できるため、新たな在留資格を作って入管法を改正する必要はありません。

そこで特定活動の対象範囲を「日本語による円滑な意思疎通が必要な業種」や「クールジャパン分野に関連する活動」に拡大することを検討されています。

現時点では特定活動の範囲拡大に関しての詳しい情報はわかりませんが、範囲拡大されることで現在は資格が与えられないレストランでの接客や、アニメーターのアシスタントなどの職に就くことができるようになる可能性があります。

在留期間は最長5年となる予定です。

 

まとめ

まとめいかがでしたでしょうか。

特定活動の範囲拡大に関しての具体的な内容は現時点でわかっていませんが、明らかになり次第、随時このページでお伝えしていきたいと思います。

特定活動の範囲拡大と並行して検討されている「特定技能」という在留資格も業種限定で単純労働を認める方向で検討されています。

そういった意味では2019年は外国人雇用の大きな節目を迎える年になるといえます。

 

 

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