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在留資格「特定技能ビザ」とは|特定技能1号・2号の違いなど徹底解説します!

[記事公開日]2018/07/01
[最終更新日]2018/10/18
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移民政策をおこなっていない日本では外国人の単純労働は原則として禁止されています。

しかし深刻な人手不足に対応するために、「建設」「宿泊」「農業」「介護」「造船」の5つの分野で単純労働を含めた就労を認める「特定技能」という在留資格が認められる方向に向かっています。(在留資格に関しては『在留資格とは』をご参照下さい)

それでは、現在検討されている「特定技能」とはどういったもので、資格を取得するためにはどのような要件があるのかなどを判りやすくご説明したいと思います。

(特定技能と同じように単純労働の活動を検討している特定活動ビザに関しましては『特定活動とは』をご参照下さい。)

 

日本の現状

「特定技能」という在留資格が検討されている背景には日本の労働人口と求人に関する現状を理解する必要があります。

どのような状況なのかをみてみましょう。

 

生産年齢人口の減少

日本では1997年をピークに生産年齢人口が減少しています。

生産年齢とは簡単に言いますと「働くことができる年齢」で日本では「15歳以上65歳未満」を生産年齢としています。

つまり15歳以上65歳未満の人口が1997年以降減り続けているのです。

 

有効求人倍率の増加

生産年齢人口が減っているにも関わらず、有効求人倍率は2017年12月には43年ぶりの高水準となっています。

有効求人倍率とは、ハローワークで仕事を探す人1人に対し、何人分の求人があるかを示す指標です。

2017年12月の1.59倍というのは、100人の求人に対して159人分の仕事があるということです。

それだけ労働力が不足しているということになります。

 

アルバイトや技能実習生の就労

「留学」や日本に在留資格を持つ人の家族として滞在する「家族滞在」という在留資格では原則として就労はできませんが、「資格外活動」という許可をとることで週28時間以内のアルバイトは出来るようになります。(詳しくは『資格外活動とは』をご参照下さい。)

この資格外活動をしている数が2008年では70,833人だったのが、9年後の2017年では297,021人と226,000人以上増えています。

資格外活動の他には「技能実習」という在留資格での労働者数が増加しています。

日本には技能実習制度という制度があります。

日本で培われた技能、技術又は知識を開発途上地域等へ移転して、その開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与するという目的の制度です。

技能実習生は「日本で培われた技能、技術又は知識」を習得することが目的ですので、労働力の需給の調整手段として行われてはならないと技能実習法第3条で定められています。

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)

第三条
技能実習は、技能等の適正な修得、習熟又は熟達(以下「修得等」という。)のために整備され、かつ、技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行われなければならない。
2技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。

 

 

在留資格「特定技能」とは

特定技能とはこのような労働人口の減少と求人倍率の増加の中で、週28時間以内のアルバイトや単純労働が認められない技能実習生では対応ができなくなり、一定のルールのもとで外国人の新たな就労を認める在留資格を創設が検討されることになりました。

平成30年6月15日、「経済財政運営と改革の基本方針2018~少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現~」(骨太方針)が経済財政諮問会議での答申を経て、閣議決定されました。

その骨太方針の中に以下のような外国人雇用に関する内容があります。(経済財政運営と改革の基本方針2018

新たな外国人材の受入れ
・中小企業・小規模事業者をはじめとした人手不足の深刻化への対応
・一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れるため、就労を目的とした新たな在留資格を創設
・出入国管理及び難民認定法を改正し、政府の基本方針を定めるとともに、業種別の受入れ方針を策定
・求める技能水準は、受入れ業種ごとに定め、日本語能力水準も、業務上必要な水準を考慮して、受入れ業種ごとに定める
・政府の在留管理体制を強化するとともに、受入れ企業又は登録支援機関(業界団体等)による生活ガイダンス、相談対応、日本語習得支援等を実施
・在留期間の上限は通算5年とし、家族の帯同は基本的に認めないが、滞在中に高い専門性を有すると認められた者について、在留期間の上限が無く、家族帯同を認める在留資格への移行措置を整備する方向

特定技能の外国人は、原則として直接雇用となりますが、分野の特性に応じて派遣形態も可能とされています。

また、許可された活動の範囲内であれば転職も認められます。

 

就労系在留資格比較表

新設される「特定技能」と従来の就労系在留資格「技術・人文知識・国際業務」と「技能」との主な違いは以下の通りです。

従来の就労系在留資格では単純労働ができないという点以外に、学歴要件や実務経験要件も外国人が日本で就労できない障壁となっていました。

特定技能はこういった学歴要件や実務経験要件がないことも大きなポイントとなります。

特定技能 技術・人文知識
・国際業務
技能
特定技能1号 特定技能2号
学歴要件 無し 無し 有り 無し
実務経験 不要 不要 不要 必要
日本語水準要件 ある程度日常会話 未定 無し 無し
在留期間 最長5年(更新不可) 制限なし(更新可) 制限なし(更新可) 制限なし(更新可)
家族帯同 不可
単純労働 不可 不可

 

「特定技能1号」とは

特定技能には、相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格「特定技能1号」と、同分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格「特定技能2号」が新設されます。

それでは、特定技能1号の内容をみてみましょう。

 

技能水準

特定技能1号の技能水準は、受入れ分野で即戦力として活動するために必要な知識又は経験を有することされています。

業所管省庁が定める試験等によって確認します。

 

日本語能力

特定技能1号の日本語能力水準は、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有すること」を基本としつつ、受入れ分野ごとに業務上必要な能力水準を考慮して定めます。

日本語能力水準は試験等によって確認します。

技能実習2号を修了した者は、この試験等を免除されます。

 

在留期間の上限

特定技能1号は最長で5年間の就労が認められます。

 

家族帯同の制限

特定技能1号は、その家族が日本で一緒にすむための在留資格「家族滞在」は取得できません。

 

特定技能1号の外国人への支援

特定技能1号外国人に対しては、「受入れ機関」又は登録を受けた「登録支援機関」が日本での活動を安定的・円滑に行うことができるようにするための日常生活上、職業生活上又は社会生活上の支援を行います。

具体的には以下のような支援を行います。

  • 入国前の生活ガイダンスの提供
  • 外国人の住宅の確保
  • 在留中の生活オリエンテーションの実施
  • 生活のための日本語習得の支援
  • 外国人からの相談・苦情への対応
  • 各種行政手続についての情報提供
  • 非自発的離職時の転職支援
  • その他

 

特定技能2号への移行

業所管省庁が定める一定の試験に合格すること等で、特定技能1号から特定技能2号へ移行することが可能になります。

 

「特定技能2号」とは

次に、特定技能2号の内容をみてみましょう。

 

技能水準

特定技能1号の技能水準は、受入れ分野で熟練した技能を有することされています。

業所管省庁が定める試験等によって確認します。

 

在留期間の上限

在留期間の更新ができ、条件を満たせば永住申請も可能となることを検討されています。

別の就労系の在留資格である「技術・人文知識・国際業務」や「技能」「経営・管理」でも在留期間の更新や条件を満たした場合の永住申請が可能ですので、特定技能2号は従来の就労系在留資格に近い在留資格と言えます。。

 

家族帯同の制限

家族の帯同が可能となることを検討されています。

別の就労系の在留資格である「技術・人文知識・国際業務」や「技能」「経営・管理」でも家族の帯同が可能です。

 

「受入れ機関」と「登録支援機関」

特定技能の制度には「受入れ機関」と「登録支援機関」という2つの機関があります。

それでは、それぞれどのような機関なのかをみてみましょう。

受入れ機関・登録支援機関

「受入れ機関」とは

受入れ機関とは、外国人と直接雇用契約を結ぶ企業などです。

外国人と締結する契約は、報酬額が日本人と同等以上であることなどを確保するため、以下の基準に適合することが必要になります。

  • 労働関係法令・社会保険関係法令の遵守
  • 欠格事由に該当しないこと等
  • 支援計画に基づき,適正な支援を行える能力・体制があること等(特定技能1号外国人材の場合に限る)

支援計画とは、以下のような項目に関する計画です。

  • 入国前の生活ガイダンスの提供
  • 外国人の住宅の確保
  • 在留中の生活オリエンテーションの実施
  • 生活のための日本語習得の支援
  • 外国人からの相談・苦情への対応
  • 各種行政手続についての情報提供
  • 非自発的離職時の転職支援
  • その他

 

「登録支援機関」とは

登録支援機関登録支援機関とは、受入れ企業に代わって支援計画の作成・実施を行う機関です。

登録団体機関として登録できる対象は、支援体制を備えた業界団体、民間法人、社労士等の幅広い主体を想定されています。

登録支援機関は以下の基準に適合することが必要になります。

  • 欠格事由に該当しないこと等
  • 支援計画に基づき,適正な支援を行える能力・体制があること等

 

特定技能で受け入れる国の制約

出入国管理業務上の支障があると判断した国に対しては、受け入れの制約したり在留資格付与を厳重に審査するなどを検討されています。

出入国管理業務上の支障がある国とは、以下のような国をさします。

  • 日本から退去強制となった外国人の身柄を引き取らない国
  • 乱用的な難民認定申請や不法滞在者が多い国

退去強制とは不法滞在や刑事事件で有罪が確定するなどの理由で在留資格を取消されて日本国外への退去を命じられることです。

(在留資格の取消しに関しましては『在留資格の取消し制度とは』で詳しくご説明していますのでご参照下さい。)

 

「特定技能」の対象となる業種

「特定技能」は全ての業種で認められているわけではありません。

建設、宿泊、農業、介護、造船の5分野になる予定です。

分野 期間 人数
建設 2025年まで 30万人以上
宿泊 2030年まで 8.5万人
農業 2023年まで 最大10.3万人
介護 毎年 1万人程度
造船 2025年まで 2.1万人

建設業での外国人雇用の注意点は『建設業の外国人雇用のポイントと注意点を徹底解説します!』で詳しくご説明しています。

ホテル・旅館・宿泊業業での外国人雇用の注意点は『ホテル・旅館業の外国人雇用・採用のポイントと注意点を徹底解説します!』で詳しくご説明しています。

農業業での外国人雇用の注意点は『農業の外国人雇用のポイントと注意点を徹底解説します!』で詳しくご説明しています。

 

「特定技能」の資格取得要件

特定技能の資格を取得するためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

 

技能実習を修了すること

技能実習を修了していることで、特定技能の在留資格を取得することができるようにすることを検討されています。

(技能実習制度の詳細に関しましては『外国人技能実習制度とは』をご参照下さい。)

 

「特定技能評価試験」に合格すること

技能実習を修了していない場合でも、特定技能評価試験に合格することで特定技能の在留資格の申請ができるようにすることを検討されています。

(特定技能評価試験の詳細に関しましては『特定技能評価試験とは』をご参照下さい。)

 

「特定技能」に関するニュース

単純労働を認める「特定技能」は5分野に限って進められていますが、さらに分野を拡大する話も出ています。

 

外国人受け入れ15業種超=政府、水産・食品加工など追加 

時事ドットコムニュース (2018/07/29-14:17)

政府は、外国人労働者の受け入れ拡大を狙った新たな在留資格について、水産など15を超える分野を対象業種とする検討に入った。これまでは5分野を想定していたが、深刻な人手不足の現状を踏まえ水産や食品加工など10以上の分野を追加する見通しだ。政府関係者が29日、明らかにした。

政府が当初、想定していたのは建設、農業、宿泊、介護、造船の5分野。だが、人材難に苦しむ業界団体などから、新在留資格の対象に含めるよう求める要望が相次いだため、政府は外食、製造業などにも拡大する方向で調整している。
多くの業種で資格が認められる見込みとなり、外国人受け入れ政策は大きな転機を迎える。新在留資格で受け入れる外国人労働者数は50万人程度を見込んでいたが、対象業種の拡大に伴いさらに増えるのは確実だ。
経済財政運営の基本方針「骨太の方針」に盛り込まれた新在留資格は、中小・小規模事業者を中心に人手不足が深刻化する中、外国人材で労働力を補うことを狙ったもの。政府は受け入れ体制を強化するため、入国管理局を格上げした「入国管理庁」の設置を検討。多言語での相談窓口や日本語教育の充実などにも取り組む。

 

外国人材で検討会、月内設置=自治体、経済界と政府

時事ドットコムニュース (2018/08/19-15:20)

政府は19日、外国人材の就労を目的に創設する新たな在留資格導入に向け、関係省庁や自治体の担当者、経済界で構成する検討会を月内にも設ける方針を固めた。政府は新在留資格について来年4月の導入を目指しており、外国人労働者の生活支援など受け入れ環境の整備を図るのが狙いだ。
検討会では、日本語教育の充実や住宅確保、医療・福祉などの相談体制の整備などを議論する。各界の意見を踏まえた具体的な支援策を詰め、年内に取りまとめる「総合的対応策」に反映させる考えだ。
政府は、在留管理体制の強化も図る方針で、来年4月に法務省入国管理局を「入国管理庁」に昇格させる方向で調整している。入国審査官や入国警備官を増員し、就労状況の把握や不法滞在への対応を厳格化する。
新在留資格は少子高齢化に伴う深刻な人手不足を補うのが目的。対象業種は建設や農業、製造業など15を超える分野を想定。受け入れ人数は50万人を超える見通しだ。

 

まとめ

まとめいかがでしたでしょうか。

今まで外国人の単純労働を認めていなかった日本が5つの分野でかつ期間限定としても、外国人の単純労働を認めることを検討しているというのは大きな方針転換だと言えます。

特に現在深刻な人手不足で悩んでいる建設、農業、宿泊、介護、造船の分野にとっては朗報であるとも言えます。

ただし、外国人が増える事で治安の悪化などの不安要素もありますので、社会の安全面での対策も整備される必要があると思います。

 

 

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