平成30年上半期における入管法違反事件について

入管法違反

平成30年10月5日に法務省入国管理局より「平成30年上半期における入管法違反事件について」報道発表がありました。

 

入管法違反事件

平成30年上半期中に,地方入国管理官署が出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)違反により退去強制手続(出国命令手続を含む。以下同じ。)を執った外国人は,7,892人で,前年同時期と比較して1,120人の増加となった。

摘発箇所

全国の地方入国管理官署が実施した摘発の箇所数は,985か所で,前年同時期と比較して146か所の減少であった。

摘発箇所数の推移

 

入管法違反者の特徴

不法入国者

不法入国者は222人で,前年同時期と比較して90人の減少となった。

入管法違反事件の推移

そのうち,航空機を利用した不法入国者は182人で,前年同時期と比較して86人の減少,船舶を利用した不法入国者は40人で,前年同時期と比較して4人の減少となった。

不法入国者数の推移

 

不法残留者

不法残留者は6,960人と前年を1,311人上回り,入管法違反者全体に占める割合は,88.2パーセントであり,依然として高い割合を占めている。

このうち,3,048人は出国命令制度の対象となり,不法残留者全体の43.8パーセントであった。

(注)出国命令制度とは,入管法違反者のうち,一定の要件を満たす不法残留者について,身柄を収容しないまま簡易な手続により出国させる制度である。

 

国籍・地域別

退去強制手続を執った外国人の国籍・地域は82か国・地域となり,国籍・地域別では,中国(香港・その他を除く。以下同じ。)が2,116人と最も多く,入管法違反者全体の26.8パーセントを占めた。

国籍・地域別では,中国に次いでベトナム,タイ,フィリピン,インドネシアの順となっており,これら5か国で全体の82.9パーセントを占めている。

国籍・地域別-入管法違反事件の推移

 

不法就労事件

退去強制手続を執った外国人のうち,不法就労事実が認められた者は4,889人で,入管法違反者全体に占める割合は61.9パーセントと高い割合を占めている。

不法就労者数の推移

 

不法就労者の特徴

国籍・地域

不法就労者の国籍・地域は,近隣アジア諸国を中心に43か国・地域に上った。

国籍・地域別では,中国が1,590人で全体の32.5パーセントと最も多く,以下,ベトナム,タイ,フィリピン,インドネシアの順となっており,これら5か国で全体の92.1パーセントを占めた。

国籍・地域別-不法就労事件の推移

 

性別

不法就労者の男女別は,男性が3,309人で不法就労者全体の67.7パーセント,女性が1,580人で同32.3パーセントとなっており,その差は35.4ポイントとなっている。

 

就労期間

就労期間別で見ると,6月以下の者が1,769人で,不法就労者全体に占める割合が36.2パーセントと最も多くなっており,就労期間1年以下(6月以下を含む。)の者は2,854人で,全体の58.4パーセントとなっている。

不法就労者の就労期間別構成

 

稼働場所(都道府県)

稼働場所(都道府県)別では,茨城県の1,046人を最多に,関東地区1都6県(東京都,茨城県,千葉県,神奈川県,埼玉県,群馬県及び栃木県)で3,559人となり,同地区が不法就労者全体の72.8パーセントを占めている。

また,中部地区9県(愛知県,静岡県,岐阜県,長野県,富山県,山梨県,福井県,新潟県及び石川県)が645人となり,不法就労者全体の13.2パーセントを占めている。

関東地区及び中部地区で不法就労者全体の86.0パーセントを占める一方,全国42の都道府県で不法就労者の稼働が確認されている。

不法就労者の稼働場所別構成

 

就労内容

就労内容別では,男性は「建設作業者」が896人で最も多く,以下,「農業従事者」828人,「工員」572人の順となっている。女性は「農業従事者」が538人で最も多く,以下,「工員」277人,「その他のサービス業従事者」185人の順となっている。

不法就労者の就労内容別構成

 

被送還者

平成30年上半期中に,全国の地方入国管理官署が退去強制した外国人は,4,449人で,前年同時期と比較して571人の増加となった。

 

国籍・地域別

退去強制した外国人の国籍・地域は69か国・地域となり,国籍・地域別では,ベトナムが最も多く,1,280人で,被送還者全体の28.8パーセントを占めた。

国籍・地域別では,ベトナムに次いで中国,タイ,フィリピン,インドネシアの順となっており,これら5か国で全体の80.2パーセントを占めている。

国籍・地域別-被送還者の推移

 

被退令仮放免者

仮放免は,出国のための準備を要する者のほか,傷病等により収容し続けることが困難となるなど,人道上の配慮が必要と判断される者に対して就労の禁止や行動範囲などの条件を付して認めるものである。

平成30年6月末現在,退去強制令書(以下「退令」という。)の発付を受けた後に仮放免されている者(以下「被退令仮放免者」という。)は,2,796人と,平成29年末現在と比較して,310人の減少となった。

 

国籍・地域別

平成30年6月末現在の被退令仮放免者の国籍・地域は59か国・地域となり,国籍・地域別ではフィリピンが409人と最も多く,次いでトルコ358人,スリランカ258人,イラン247人,中国200人の順となっており,これら5か国で全体の52.6パーセントを占めている。

国籍・地域別-被退令仮放免者数の推移

 

刑罰法令違反

平成30年上半期中に,警察等から逮捕された旨の通報があった被退令仮放免者は66人で,国籍・地域別ではイランが13人と最も多く,次いでトルコ8人,スリランカ7人の順であった。

また,逮捕の罪種別では,凶悪犯(殺人未遂等)が2件のほか,薬物事犯が21件と最も多く,次いで粗暴犯(暴行,傷害等)が11件,窃盗犯が11件の順であった。

(注)罪種別は,同一人の異なる罪名をそれぞれ計上している。

 

平成30年10月5日 法務省入国管理局 報道発表資料

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