「出入国在留管理庁」の新設
外国人労働者の受け入れ拡大に向け、2019年4月に「出入国在留管理庁」が新設される予定です。
現在の入国管理局は法務省の内局(内部部局)です。
内局とは、省の基本的な任務を担当する補助機関です。
内局の組織は政令で定められます。
2019年4月に新設される「出入国在留管理庁」は「庁」ですので、外局になります。
外局である「庁」は補助機関ではなく、省と並ぶ国の行政機関になります。
つまり内局である入国管理局が再編・格上げされて、外局である「出入国在留管理庁」になることになります。
外国人の受入数が急増することによって不法滞在者らの取り締まりなどを厳格化や外国人が安心して生活・就労できる環境の整備などが必要になります。
そこで出入国在留管理庁に新たに出入国に関する事務や取り締まりを行う「出入国管理部」と外国人の生活環境を整備する「在留管理支援部」という部署の設置が検討されています。
また、外国人の急増に備えて入国審査官らの約320人の増員も予定されています。
(平成30年12月21日 法務省大臣官房会計課 平成31年度予算等(速報)より)
出入国在留管理庁設置の必要性
入国管理局は、現行業務のみでも、近年、業務量が飛躍的に増大。
新たな外国人材の受入れに関する業務等の追加により、所轄する業務の質、量いずれも大きく変化するため、今後、より一層協力に業務を推進していくための体制整備が必要。
外国人の受入れ環境の整備に関する総合調整等の機能を強力に果たすため、新たに外局を設置し、司令塔的機能を果たすことを明確に位置付ける必要性大。
出入国在留管理庁が果たすべき主な役割
訪日外国人旅行者の増加が見込まれる中で厳格な出入国管理と円滑な入国審査を両立するなど、出入国在留管理行政を強力に推進すること。
深刻な人手不足への対応として真に必要な分野に着目しつつ一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れるという制度の趣旨に適った運用がされるよう適切な対応をとること。
具体的には、以下のようなことを行っていく。
- 特定技能外国人の適正な在留管理
- 不適切な受入れ機関に対する指導
- 送出国における悪質ブローカーの介在防止
- 受入れ対象分野における人手不足状況の継続的把握と必要に応じた受入れ停止措置
生活者としての外国人に対する支援など外国人との共生社会の実現に必要な施策を関係省庁と連携して実施すること。
特定技能外国人とは、平成30年12月25日に閣議決定された「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針について」で「特定技能の在留資格をもって本邦に在留する外国人」と定義されています。
在留資格「特定技能」の新設
2019年4月には特定の業種に限って外国人の単純労働を認める「特定技能」という在留資格が新設される予定です。
「出入国在留管理庁が果たすべき役割」の中でも、この特定技能に深く関係する業務が挙げられています。
特定技能ビザに関しては『特定技能ビザとは』をご参照下さい。
まとめ
出入国在留管理庁に関しては、詳細がわかり次第随時このページを更新していきます。