第4章 特定技能外国人に関する基準|特定技能外国人受入れに関する運用要領

第4章 特定技能外国人に関する基準|特定技能外国人受入れに関する運用要領

 

特定技能外国人受入れに関する運用要領

特定技能外国人受入れに関する運用要領(法務省サイト)

第1章 在留資格「特定技能」創設の目的

第2章 制度の概要

第3章 在留資格「特定技能」

第4章 特定技能外国人に関する基準

第5章 特定技能所属機関に関する基準等

第6章 1号特定技能外国人支援計画に関する基準等

第7章 特定技能所属機関に関する届出

第8章 報告徴収・改善命令等

第9章 登録支援機関

第10 章 罰則等

 

第1節 「特定技能1号」

(1)年齢に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能1号)
申請人に係る特定技能雇用契約が法第2条の5第1項及び第2項の規定に適合すること及び特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関が同条第3項及び第4項の規定に適合すること並びに申請人に係る1号特定技能外国人支援計画が同条第6項及び第7項の規定に適合することのほか,申請人が次のいずれにも該当していること。

一 申請人が次のいずれにも該当していること。ただし,申請人が外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号)第2条第2項第2号に規定する第2号企業単独型技能実習又は同条第4項第2号に規定する第2号団体監理型技能実習のいずれかを良好に修了している者であり,かつ,当該修了している技能実習において修得した技能が,従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められる場合にあっては,ハ及びニに該当することを要しない。
イ 18歳以上であること。

日本の労働法制上,18歳未満の労働者に関し,特別の保護規定を定めていることから,特定技能外国人についても18歳以上であることを求めるものです。

【留意事項】

外国人が18歳未満であっても,在留資格認定証明書交付申請を行うことは可能ですが,日本に上陸する時点においては,18歳以上でなければなりません。

なお,在留資格認定証明書の有効期間は,交付日から3か月以内であることから,外国人が18歳未満で在留資格認定証明書交付申請を行う場合は,在留資格認定証明書の有効期間を考慮して申請を行うよう留意してください。

学歴については,特に基準は設けられていません。

 

(2)健康状態に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能1号)
一 申請人が次のいずれにも該当していること。ただし,申請人が外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号)第2条第2項第2号に規定する第2号企業単独型技能実習又は同条第4項第2号に規定する第2号団体監理型技能実習のいずれかを良好に修了している者であり,かつ,当該修了している技能実習において修得した技能が,従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められる場合にあっては,ハ及びニに該当することを要しない。ロ 健康状態が良好であること。

特定技能外国人が,特定技能に係る活動を安定的かつ継続的に行うことを確保する観点等から,当該外国人の健康状態が良好であることを求めるものです。

【確認対象の書類】
・健康診断個人票(参考様式第1-3号
・受診者の申告書(参考様式第1-3号(別紙)

【留意事項】

日本に入国する前に,日本で行おうとする活動を支障なく行うことができる健康状態にあることについて,医師の診断を受けなければなりません。

技能実習生や留学生などで在留中の者が,「特定技能」へ在留資格を変更しようとする場合には,日本の医療機関で医師の診断を受けることとして差し支えありません。

また,提出する立証資料が健康診断個人票(参考様式第1-3号)と異なる形式でも構いませんが,検診項目としては,少なくとも,健康診断個人票(参考様式第1-3号)に記載した健康診断項目を検診し,「安定・継続的に就労活動を行うことについて」医師の署名があることが求められます。

特に,診断項目のうち,「胸部エックス線検査」に異常所見がある場合には,喀痰検査を実施し,活動性結核でないことを確認することが求められます。

健康診断個人票(参考様式第1-3号)は,申請人が十分に理解できる言語により作成し,その日本語訳も併せて提出してください。

受診者の申告書(参考様式第1-3号(別紙))は,健康診断を受診するに当たって,通院歴,入院歴,手術歴,投薬歴の全てを医師に申告したことの確認を求めるものであることから,健康診断受診後に作成することに留意してください。

 

(3)技能水準に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能1号)
一 申請人が次のいずれにも該当していること。ただし,申請人が外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号)第2条第2項第2号に規定する第2号企業単独型技能実習又は同条第4項第2号に規定する第2号団体監理型技能実習のいずれかを良好に修了している者であり,かつ,当該修了している技能実習において修得した技能が,従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められる場合にあっては,ハ及びニに該当することを要しない。
ハ 従事しようとする業務に必要な相当程度の知識又は経験を必要とする技能を有していることが試験その他の評価方法により証明されていること。

上陸基準省令附則第8条
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律附則第12条の規定による改正前の出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の技能実習の在留資格をもって行う同表の技能実習の項の下欄第2号イ又は同号ロに掲げる活動のいずれかを良好に修了し,かつ,当該修了している活動において修得した技能が,従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められる者については,当分の間,この省令による改正後の出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令の表の法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄第1号に掲げる活動の項の下欄第1号ただし書に該当するものとみなす。
2 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律第1条の規定による改正前の出入国管
理及び難民認定法別表第1の5の表の特定活動の在留資格(同法別表第1の4の表の研修の在留資格の下で修得した技能等に習熟するため,本邦の公私の機関との雇用契約に基づき,当該技能等に係る当該機関の業務に従事する活動を指定されたものに限る。)をもって在留した期間が1年を超える者であって,当該活動を良好に修了し,かつ,当該修了している活動において修得した技能が,従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められるものについても,前項と同様とする。

1号特定技能外国人について,従事しようとする業務に必要な「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」を有していることが試験その他の評価方法により証明されていることを求めるものです。

試験その他の評価方法は,特定産業分野に係る分野別運用方針及び分野別運用要領で定められています。

なお,技能実習2号を良好に修了しており,従事しようとする業務と技能実習2号の職種・作業に関連性が認められる場合には,技能水準について試験その他の評価方法による証明は要しないこととされています。

技能実習2号を修了した者には,技能実習法施行前の技能実習2号を修了した技能実習生や,在留資格「技能実習」が創設される前の「特定活動」(技能実習)をもって在留していた技能実習生(「研修」及び「特定活動」で在留した期間が2年10か月を超えている者に限る。)も含まれます。

【確認対象の書類】
・特定技能外国人の履歴書(参考様式第1-1号
<試験その他の評価方法により技能水準を証明する場合>
・分野別運用方針に定める技能試験の合格証明書の写し
*詳細は本要領別冊(分野別)を参照してください。
・分野別運用方針に定めるその他の評価方法により技能水準を満たすことを証明する資料
*分野別運用方針において,試験以外の評価方法を採用している場合
<技能実習2号を良好に修了した者であること等を証明する場合>
・技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験の合格証明書の写し
*技能検定等に合格している場合
・技能実習生に関する評価調書(参考様式第1-2号
*技能検定等に合格していない場合
*提出を省略できる場合あり(【留意事項】を参照)

【留意事項】

分野の特性に応じ,分野別運用方針において,技能試験によらない方法による技能水準の評価を認めているものもあります。

技能試験は,国外で実施することを原則としていますが,国内試験も実施されます。

国内試験を受験できるのは本邦に在留中の中長期在留者又は過去に中長期在留者として在留していた外国人ですが,「退学・除籍留学生」及び「失踪した技能実習生」のほか,「特定活動(難民申請)」の在留資格並びに技能実習等,当該活動を実施するに当たっての計画(以下「活動計画」という。)の作成が求められる在留資格で現に活動中の者(その活動計画の性格上,他の在留資格への変更が予定されていないもの(注1),又はその活動計画により,当該活動終了後に特定の在留資格への変更又は在留期間の更新が予定されているもの(注2))については,国内での受験資格が認められません。また,特定技能の在留資格に関し,退去強制令書の円滑な執行に協力しない外国政府等の国籍を有する者(本節(5)を参照)についても同様に国内での受験資格は認められません。

(注1)その活動計画の性格上,他の在留資格への変更が予定されていないもの
・「技能実習
・「研修」
・「特定活動(日本料理海外普及人材育成事業)」
・「特定活動(特定伝統料理海外普及事業)」
・「特定活動(製造業外国従業員受入促進事業)」
・「特定活動(インターンシップ)

(注2)その活動計画により,当該活動終了後に特定の在留資格への変更又は在留期間の更新が予定されているもの
・「特定活動(外国人起業活動促進事業)」
・「経営・管理(外国人創業人材受入促進事業)」

分野ごとの試験等の詳細については,本要領別冊(分野別)を参照してください。

「技能実習2号を良好に修了している」とは,技能実習を2年10か月以上修了し,①第2号技能実習計画における目標である技能検定3級若しくはこれに相当する技能実習評価試験の実技試験に合格していること,又は,②技能検定3級及びこれに相当する技能実習評価試験の実技試験に合格していないものの,特定技能外国人が技能実習を行っていた実習実施者(旧技能実習制度における実習実施機関を含む。)が当該外国人の実習中の出勤状況や技能等の修得状況,生活態度等を記載した評価に関する書面により,技能実習2号を良好に修了したと認められることをいいます。ただし,特定技能外国人を受け入れようとする特定技能所属機関が,当該外国人を技能実習生として受け入れていた実習実施者である場合(当該外国人が技能実習2号を修了して帰国した後に,同一の実習実施者と特定技能雇用契約を締結する場合を含む。)には,過去1年以内に技能実習法の「改善命令」(技能実習法施行前の旧制度における「改善指導」を含む。)を受けていない場合には評価調書の提出を省略することができます

「特定技能1号」の活動として従事する業務と技能実習2号との関連性については,分野別運用方針において定められています(詳細は本要領別紙6及び本要領別冊(分野別)を参照)。

技能実習2号修了者は,第2号技能実習計画において目標として定めた技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験を受検しなければなりません。

また,実習実施者においては,技能実習生が修得等した技能等の評価を技能検定等により行うこととされていること(技能実習法第9条第5号)に留意が必要です。

なお,技能実習法の適用がある技能実習生について,受検の申込みをしたものの,病気等のやむを得ない事情により受検ができなかったことにより,技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験に合格していない場合には,技能実習生に関する評価調書(参考様式第1-2号等においてその理由を説明いただくことになります。

 

(4)日本語能力に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能1号)
一 申請人が次のいずれにも該当していること。ただし,申請人が外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号)第2条第2項第2号に規定する第2号企業単独型技能実習又は同条第4項第2号に規定する第2号団体監理型技能実習のいずれかを良好に修了している者であり,かつ,当該修了している技能実習において修得した技能が,従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められる場合にあっては,ハ及びニに該当することを要しない。
ニ 本邦での生活に必要な日本語能力及び従事しようとする業務に必要な日本語能力を有していることが試験その他の評価方法により証明されていること。

上陸基準省令附則第8条
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律附則第12条の規定による改正前の出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の技能実習の在留資格をもって行う同表の技能実習の項の下欄第2号イ又は同号ロに掲げる活動のいずれかを良好に修了し,かつ,当該修了している活動において修得した技能が,従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められる者については,当分の間,この省令による改正後の出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令の表の法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄第1号に掲げる活動の項の下欄第1号ただし書に該当するものとみなす。
2 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律第1条の規定による改正前の出入国管理及び難民認定法別表第1の5の表の特定活動の在留資格(同法別表第1の4の表の研修の在留資格の下で修得した技能等に習熟するため,本邦の公私の機関との雇用契約に基づき,当該技能等に係る当該機関の業務に従事する活動を指定されたものに限る。)をもって在留した期間が1年を超える者であって,当該活動を良好に修了し,かつ,当該修了している活動において修得した技能が,従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められるものについても,前項と同様とする。

1号特定技能外国人について,「ある程度の日常会話ができ,生活に支障がない程度の能力を有することを基本としつつ,特定産業分野ごとに業務上必要な日本語能力水準」を有していることが試験その他の評価方法により証明されていることを求めるものです。

試験その他の評価方法は,特定産業分野に係る分野別運用方針及び分野別運用要領で定められています。

なお,技能実習2号を良好に修了している場合は,日本語能力水準について試験その他の評価方法による証明は要しないこととされています。

技能実習2号を修了した者には,技能実習法施行前の技能実習2号を修了した技能実習生や在留資格「技能実習」が創設される前の「特定活動」(技能実習)をもって在留していた技能実習生(「研修」及び「特定活動」で在留した期間が2年10か月を超えている者に限る。)も含まれます。

【確認対象の書類】
・特定技能外国人の履歴書(参考様式第1-1号
<試験その他の評価方法により日本語能力水準を証明する場合>
・日本語試験の合格証明書の写し
・分野別運用方針に定めるその他の評価方法により日本語能力を有することを証明する資料
*分野別運用方針において,試験以外の評価方法を採用している場合
<技能実習2号を良好に修了した者であること等を証明する場合>
・技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験の合格証明書の写し
*技能検定等に合格している場合
・技能実習生に関する評価調書(参考様式第1-2号
*技能検定等に合格していない場合
*提出を省略できる場合あり(【留意事項】を参照)

【留意事項】

分野の特性に応じ,分野別運用方針において,複数の日本語試験の合格を求めているものもあります。

試験実施国以外の国籍を有する者が近隣国で実施される試験を受験することを妨げるものではありません。

分野ごとの試験等の詳細については,本要領別冊(分野別)を参照してください。

「技能実習2号を良好に修了している」とは,技能実習を2年10か月以上修了し,①第2号技能実習計画における目標である技能検定3級若しくはこれに相当する技能実習評価試験の実技試験に合格していること,又は,②技能検定3級及びこれに相当する技能実習評価試験の実技試験に合格していないものの,特定技能外国人が技能実習を行っていた実習実施者(旧技能実習制度における実習実施機関を含む。)が当該外国人の実習中の出勤状況や技能等の修得状況,生活態度等を記載した評価に関する書面により,技能実習2号を良好に修了したと認められることをいいます。

ただし,特定技能外国人を受け入れようとする特定技能所属機関が,当該外国人を技能実習生として受け入れていた実習実施者である場合(当該外国人が技能実習2号を修了して帰国した後に,同一の実習実施者と特定技能雇用契約を締結する場合を含む。)には,過去1年以内に技能実習法の「改善命令」(技能実習法施行前の旧制度における「改善指導」を含む。)を受けていない場合には評価調書の提出を省略することができます。

「特定技能1号」の活動として従事する業務と技能実習2号との関連性については,分野別運用方針において定められています(詳細は,本要領別紙6及び本要領別冊(分野別)を参照)。

技能実習2号修了者は,第2号技能実習計画において目標として定めた技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験を受検しなければなりません。また,実習実施者においては,技能実習生が修得等した技能等の評価を技能検定等により行うこととされていること(技能実習法第9条第5号)に留意が必要です。

なお,技能実習法の適用がある技能実習生について,受検の申込みをしたものの,病気等のやむを得ない事情により受検ができなかったことにより,技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験に合格していない場合には,技能実習生に関する評価調書(参考様式第1-2号)等においてその理由を説明いただくことになります。

 

(5)退去強制令書の円滑な執行への協力に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能1号)
一 申請人が次のいずれにも該当していること。ただし,申請人が外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号)第2条第2項第2号に規定する第2号企業単独型技能実習又は同条第4項第2号に規定する第2号団体監理型技能実習のいずれかを良好に修了している者であり,かつ,当該修了している技能実習において修得した技能が,従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められる場合にあっては,ハ及びニに該当することを要しない。
ホ 退去強制令書の円滑な執行に協力するとして法務大臣が告示で定める外国政府又は地域(出入国管理及び難民認定法施行令(平成10年政令第178号)第1条に定める地域をいう。以下同じ。)の権限ある機関の発行した旅券を所持していること。

入管法における退去強制令書が発付されて送還されるべき外国人について,自国民の引取り義務を履行しない等,退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域の外国人の受入れは認められません。

【留意事項】

対象となる国は,出入国在留管理庁ホームページでおってお知らせします(2019年3月20日時点未告示)。

 

(6)通算在留期間に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能1号)
一 申請人が次のいずれにも該当していること。ただし,申請人が外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号)第2条第2項第2号に規定する第2号企業単独型技能実習又は同条第4項第2号に規定する第2号団体監理型技能実習のいずれかを良好に修了している者であり,かつ,当該修了している技能実習において修得した技能が,従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められる場合にあっては,ハ及びニに該当することを要しない。
へ 特定技能(法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄第1号に係るものに限る。)の在留資格をもって本邦に在留したことがある者にあっては,当該在留資格をもって在留した期間が通算して5年に達していないこと。

上陸基準省令附則第10条
この省令による改正後の出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令の表の法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄第1号に掲げる活動の項の下欄第1号ヘの期間には,附則第6条第1項各号に掲げる活動のいずれかを指定されて特定活動の在留資格をもって在留した期間を含むものとする。

「特定技能1号」で在留できる期間が通算で5年以内であることを求めるものです。

【確認対象の書類】
・特定技能外国人の履歴書(参考様式第1-1号

【留意事項】

「通算」とは,特定産業分野を問わず,在留資格「特定技能1号」で本邦に在留した期間をいい,過去に在留資格「特定技能1号」で在留していた期間も含まれます。

次の場合は通算在留期間に含まれます。

・失業中や育児休暇及び産前産後休暇等による休暇期間
・労災による休暇期間
・再入国許可による出国(みなし再入国許可による出国を含む。)による出国期間
・「特定技能1号」を有する者が行った在留期間更新許可申請又は在留資格変更許可申請中転職を行うためのものに限る。)の特例期間
・平成31年4月の施行時の特例措置として「特定技能1号」への移行準備のために就労活動を認める「特定活動」で在留していた期間

残余の特定技能雇用契約期間や在留期限にかかわらず,「特定技能1号」での通算在留期間が5年に達した時点で,以後の在留は認められないことに留意してください。

 

(7)保証金の徴収・違約金契約等に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能1号)
二 申請人又はその配偶者,直系若しくは同居の親族その他申請人と社会生活において密接な関係を有する者が,特定技能雇用契約に基づく申請人の本邦における活動に関連して,保証金の徴収その他名目のいかんを問わず,金銭その他の財産を管理されず,かつ,特定技能雇用契約の不履行について違約金を定める契約その他の不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約が締結されておらず,かつ,締結されないことが見込まれること。

特定技能外国人又はその親族等が,保証金の徴収や財産の管理又は違約金契約を締結させられているなどの場合には,特定技能の適正な活動を阻害するものであることから,これら保証金の徴収等がないことを求めるものです。

「保証金の徴収その他名目のいかんを問わず,金銭その他の財産を管理され」ないことについては,特定技能所属機関や登録支援機関のほか,職業紹介事業者などの特定技能雇用契約に基づく特定技能外国人の本邦における活動に関与する仲介事業者のみならず,本国及び日本の仲介事業者(ブローカー)等を含め,幅広く規制の対象とするものです(このため,本規定は特段主語を規定していません。)。

「不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約」とは,特定技能所属機関から失踪することなど労働契約の不履行に係る違約金を定める契約のほか,地方出入国在留管理局や労働基準監督署などの関係行政機関において法令違反に係る相談をすること,休日に許可を得ずに外出すること,若しくは作業時間中にトイレ等で離席すること等を禁じて,その違約金を定める契約,又は商品若しくはサービスの対価として不当に高額な料金の徴収を予定する契約などが該当します。

【確認対象の書類】
・事前ガイダンスの確認書(参考様式第1-7号
・支払費用の同意書及び明細書(参考様式第1-8号
・1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号

【留意事項】

特定技能外国人及びその親族等が,保証金の徴収や財産の管理をされ又は違約金契約を締結させられていることなどを認識して特定技能雇用契約を締結して特定技能外国人を受け入れた場合には,出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為を行ったものとして欠格事由に該当し5年間受入れができないこととなりますので雇用契約締結時に十分に確認を行ってください。

特定技能所属機関は,1号特定技能外国人支援計画における事前ガイダンスにおいて,保証金・違約金契約は違法であり,禁止されていることについて説明するとともに保証金の徴収等がないことを確認してください。

また,保証金の徴収等が行われていることを確認した場合には,速やかに地方出入国在留管理局に情報提供を行ってください。

事前ガイダンスの確認書(参考様式第1-7号),支払費用の同意書及び明細書(参考様式第1-8号)及び1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)は,申請人が十分に理解できる言語に翻訳し,申請人が内容を十分に理解した上で署名をすることが求められます。

本制度では,悪質な仲介事業者の排除を目的として,外国政府との情報共有の枠組みの構築を目的とする二国間取決めを送出国政府との間で作成することとしています。

二国間取決めが作成された場合には,順次,出入国在留管理庁のホームページで,必要な情報等を掲載していくこととしています。

特定技能外国人との間で雇用契約を締結するに当たって,海外の取次機関が関与する場合には,保証金等を徴収する悪質な仲介事業者(ブローカー)が関与することがないよう当該情報を活用してください(なお,二国間取決めを作成した国以外の国籍を有する者であっても受け入れることは可能です。)。

また,技能実習制度では,本制度と同様に送出国政府との間で二国間取決めを作成し,送出国政府が認定した送出機関について,外国人技能実習機構のホームページで公表しているほか,出入国在留管理庁のホームページでも公表することとしていますので当該情報も御参照ください。

 

(8)費用負担の合意に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能1号)
三 申請人が特定技能雇用契約の申込みの取次ぎ又は外国における法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄第1号に掲げる活動の準備に関して外国の機関に費用を支払っている場合にあっては,その額及び内訳を十分に理解して当該機関との間で合意していること。
五 食費,居住費その他名目のいかんを問わず申請人が定期に負担する費用について,当該申請人が,当該費用の対価として供与される食事,住居その他の利益の内容を十分に理解した上で合意しており,かつ,当該費用の額が実費に相当する額その他の適正な額であり,当該費用の明細書その他の書面が提示されること。

特定技能外国人が入国前及び在留中に負担する費用について,その意に反して徴収されることを防止するために,当該外国人が負担する費用の額及び内訳を十分に理解して合意していることを求めるものです。

「特定技能雇用契約の申込みの取次ぎ又は外国における法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄第1号に掲げる活動の準備に関して外国の機関に費用を支払っている場合にあっては,その額及び内訳を十分に理解して当該機関との間で合意していること」については,特定技能外国人が不当に高額な費用を支払い,多額の借金を抱えて来日するといったことがないよう設けられたものです。

費用の徴収は,各国の法制に従って適法に行われることが前提となりますが,旅券の取得等に要した費用など社会通念上,特定技能外国人が負担することに合理的な理由が認められるものについては,このルールにのっとって,外国の機関が費用を徴収することが求められます。したがって,特定技能所属機関が,職業紹介事業者や外国の機関の関与を経て,特定技能外国人を雇用する場合にあっては,当該特定技能外国人が外国の機関から徴収された費用の額及びその内訳について,特定技能外国人が十分に理解し合意を得た上で,当該費用が徴収されていることを確認することが求められます。

特定技能外国人が定期に負担する費用のうち食費については,提供される食事,食材等の提供内容に応じて,次のとおり,合理的な費用でなければなりません。

・ 食材,宅配弁当等の現物支給の場合:購入に要した額以内の額
・ 社員食堂での食事提供の場合:従業員一般に提供する場合に特定技能外国人以外の従業員から徴収する額以内の額
・ 食事の調理・提供の場合:材料費,水道・光熱費,人件費等の費用の提供を受ける者(特定技能外国人のみに限られない。)の人数で除した額以内の額

特定技能外国人が定期に負担する費用のうち居住費については,自己所有物件の場合,借上物件の場合に応じて,次のとおりでなければなりません。

・ 自己所有物件の場合
実際に建設・改築等に要した費用,物件の耐用年数,入居する特定技能外国人の人数等を勘案して算出した合理的な額

・ 借上物件の場合
借上げに要する費用(管理費・共益費を含み,敷金・礼金・保証金・仲介手数料等は含まない。)を入居する特定技能外国人の人数で除した額以内の額

特定技能外国人が定期に負担する費用のうち水道・光熱費については,実際に要した費用を当該宿泊施設で特定技能外国人と同居している者(特定技能所属機関やその家族を含む。)の人数で除した額以内の額でなければなりません。

【確認対象の書類】
・雇用条件書の写し(参考様式第1-6号
・事前ガイダンスの確認書(参考様式第1-7号
・支払費用の同意書及び明細書(参考様式第1-8号
・徴収費用の説明書(参考様式第1-9号
・1号特定技能外国人支援計画書(参考用紙第1-17号

【留意事項】

本邦に入国するに際して特定技能所属機関等に支払う費用について,特定技能外国人が,その額及び内訳を十分に理解した上で支払に合意していなければなりません。

特定技能所属機関は,入国後に当該外国人が定期的に負担する費用(住居費や食費等)について,その額及び内訳を十分に説明した上で,当該外国人から合意を得なければなりません。

特定技能外国人の給与から定期的に負担する費用を控除する場合は,雇用条件書の写し(参考様式第1-6号)に控除する費用の名目及び額を確実に明記し,特定技能外国人が控除される費用の名目及び額を十分に理解できるようにしなければなりません。

定期に負担する費用のうち徴収する居住費が高額である場合には,特定技能外国人が生活する上で支障を来すことも考えられるため,徴収する金額は,実費に相当する等適正な額でなければなりません。

その費用額が高額である場合には,実費に相当する等適正な額であることについて疑義が生じることから,場合によっては追加的な立証をしていただくこととなります。

雇用条件書の写し(参考様式第1-6号),事前ガイダンスの確認書(参考様式第1-7号),支払費用の同意書及び明細書(参考様式第1-8号)及び1号特定技能外国人支援計画書(参考用紙第1-17号)は,申請人が十分に理解できる言語により作成し,申請人が内容を十分に理解した上で署名することが求められます。

 

(9)本国において遵守すべき手続に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能1号)
四 申請人が国籍又は住所を有する国又は地域において,申請人が本邦で行う活動に関連して当該国又は地域において遵守すべき手続が定められている場合にあっては,当該手続を経ていること。

特定技能外国人が,特定技能に係る活動を行うに当たり,海外に渡航して労働を行う場合の当該本国での許可等,本国において必要な手続を遵守していることを求めるものです。

【確認対象の書類】
<フィリピン>
・海外雇用許可証(Overseas Employment Certificate)

 

【留意事項】

本制度では,悪質な仲介事業者の排除を目的として,外国政府との情報共有の枠組みの構築を目的とする二国間取決めを送出国政府との間で作成することとしているところ,二国間取決めにおいて,「遵守すべき手続」が定められた場合など必要な情報が示された場合には,出入国在留管理庁のホームページで,お知らせします(なお,二国間取決めを作成した国以外の国籍を有する者であっても受け入れることは可能です。)。

ミャンマーについては,同国において海外に渡航して労働を行う場合の手続を経た者は,登録証(通称スマートカード)を取得するよう勧奨されています。

 

(10)分野に特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能1号)
六 前各号に掲げるもののほか,法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては,当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が,法務大臣と協議の上,当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合すること。

特定産業分野ごとの特有の事情に鑑みて個別に定める基準に適合していることを求めるものです。

【確認対象の書類】
・分野ごとに定める書類(本要領別冊(分野別)を参照)

【留意事項】

分野によっては告示で基準を定めていない場合もあります。

告示で基準が定められている場合であってもその内容は分野ごとに異なります。

 

第2節 「特定技能2号」

(1)年齢に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能2号)
申請人に係る特定技能雇用契約が法第2条の5第1項及び第2項の規定に適合すること及び特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関が同条第3項(第2号を除く。)及び第4項の規定に適合することのほか,申請人が次のいずれにも該当していること。
一 申請人が次のいずれにも該当していること。
イ 18歳以上であること。

日本の労働法制上,法定時間外労働や休日労働等の規制なく就労が可能となる年齢は18歳以上とされていることから,特定技能外国人についても18歳以上であることを求めるものです。

【留意事項】

特定技能外国人が18歳未満であっても,在留資格認定証明書交付申請を行うことは可能ですが,当該外国人が日本に上陸する時点において,18歳以上でなければなりません。

なお,在留資格認定証明書の有効期間は,交付日から3か月以内であることから,特定技能外国人が18歳未満で在留資格認定証明書交付申請を行う場合は,在留資格認定証明書の有効期間を考慮して申請を行うよう留意してください。

 

(2)健康状態に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能2号)
一 申請人が次のいずれにも該当していること。
ロ 健康状態が良好であること。

特定技能外国人が,特定技能に係る活動を安定的かつ継続的に行うことを確保する観点等から,当該外国人の健康状態が良好であることを求めるものです。

【確認対象の書類】
・健康診断個人票(参考様式第1-3号
・受診者の申告書(参考様式第1-3号(別紙)

 

【留意事項】

日本に入国する前に,日本で行おうとする活動を支障なく行うことができる健康状態にあることについて,医師の診断を受けなければなりません。

技能実習生や留学生などで在留中の者が,「特定技能」へ在留資格を変更しようとする場合には,国内の医療機関で医師の診断を受けることで差し支えありません。

また,提出する立証資料が健康診断個人票(参考様式第1-3号)と異なる形式でも構いませんが,検診項目としては,少なくとも,健康診断個人票(参考様式第1-3号)に記載した健康診断項目を検診し,「安定・継続的に就労活動を行うことについて」医師の署名があることが求められます。

特に,診断項目のうち,「胸部エックス線検査」に異常所見がある場合には,喀痰検査を実施し,活動性結核でないことを確認することが求められます。

健康診断個人票(参考様式第1-3号)は,申請人が十分に理解できる言語により作成し,その日本語訳も併せて提出してください。

受診者の申告書(参考様式第1-3号(別紙))は,健康診断を受診するに当たって,通院歴,入院歴,手術歴,投薬歴の全てを医師に申告したことの確認を求めるものであることから,健康診断受診後に作成することに留意してください。

 

(3)技能水準に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能2号)
一 申請人が次のいずれにも該当していること。
ハ 従事しようとする業務に必要な熟練した技能を有していることが試験その他の評価方法により証明されていること。

2号特定技能外国人について,従事しようとする業務に必要な「熟練した技能」を有していることが試験その他の評価方法により証明されていることを求めるものです。

試験その他の評価方法は,特定産業分野に係る分野別運用方針及び分野別運用要領で定められています。

【確認対象の書類】
・特定技能外国人の履歴書(参考様式第1-1号
・分野別運用方針に定める技能試験の合格証明書の写し
*詳細は本要領別冊(分野別)を参照してください。
・分野別運用方針に定めるその他の評価方法により技能水準を満たすことを証明する資料
*試験その他の評価方法により技能水準を証明する場合
*分野別運用方針において,付加的に実務経験等を求めている場合

【留意事項】

分野によっては,技能試験による評価方法に加えて,実務経験等の要件を付加的に求めているものもあります。

 

(4)退去強制令書の円滑な執行への協力に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能2号)
一 申請人が次のいずれにも該当していること。
ニ 退去強制令書の円滑な執行に協力するとして法務大臣が告示で定める外国政府又は地域の権限ある機関の発行した旅券を所持していること。

入管法における退去強制令書が発付されて送還されるべき外国人について,自国民の引取り義務を履行しない等,退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域の外国人の受入れは認められません。

【留意事項】

対象となる国は,出入国在留管理庁ホームページでおってお知らせします(2019年3月20日時点未告示)。

 

(5)保証金の徴収・違約金契約等に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能2号)
二 申請人又はその配偶者,直系若しくは同居の親族その他申請人と社会生活において密接な関係を有する者が,特定技能雇用契約に基づく申請人の本邦における活動に関連して,保証金の徴収その他名目のいかんを問わず,金銭その他の財産を管理されず,かつ,特定技能雇用契約の不履行について違約金を定める契約その他の不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約が締結されておらず,かつ,締結されないことが見込まれること。

特定技能外国人又はその親族等が,保証金の徴収や財産の管理又は違約金契約を締結させられているなどの場合には,特定技能の適正な活動を阻害するものであることから,これら保証金の徴収等がないことを求めるものです。

「保証金の徴収その他名目のいかんを問わず,金銭その他の財産を管理され」ないことについては,特定技能所属機関や登録支援機関のほか,職業紹介事業者などの特定技能雇用契約に基づく特定技能外国人の本邦における活動に関与する仲介事業者のみならず,本国及び日本の仲介事業者(ブローカー)等を含め,幅広く規制の対象とするものです(このため,本規定は特段主語を規定していません。)。

「不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約」とは,特定技能所属機関から失踪することなど労働契約の不履行に係る違約金を定める契約のほか,地方出入国在留管理局や労働基準監督署などの関係行政機関において相談をすること,休日に許可を得ずに外出すること,若しくは作業時間中にトイレ等で離席すること等を禁じて,その違約金を定める契約,又は商品若しくはサービスの対価として不当に高額な料金の徴収を予定する契約などが該当します。

【確認対象の書類】
・支払費用の同意書及び明細書(参考様式第1-8号

【留意事項】

特定技能外国人及びその親族等が,保証金の徴収や財産の管理をされ又は違約金契約を締結させられていることなどを認識して特定技能雇用契約を締結して特定技能外国人を受け入れた場合には,出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為を行ったものとして欠格事由に該当し5年間受入れができないこととなりますので,雇用契約締結時に十分に確認を行ってください。

本制度では,悪質な仲介事業者の排除を目的として,外国政府との情報共有の枠組みの構築を目的とする二国間取決めを送出国政府との間で作成することとしています。二国間取決めが作成された場合には,順次,出入国在留管理庁のホームページで,二国間取決め作成に係る情報等を掲載していくこととしています。特定技能外国人との間で雇用契約を締結するに当たって,海外の取次機関が関与する場合には,保証金等を徴収する悪質な仲介事業者(ブローカー)が関与することがないよう当該情報を活用してください(なお,二国間取決めを作成した国以外の国籍を有する者であっても受け入れることは可能です。)。

また,技能実習制度では,本制度と同様に送出国政府との間で二国間取決めを作成し,送出国政府が認定した送出機関について,外国人技能実習機構のホームページで公表しているほか,出入国在留管理庁のホームページでも公表することとしていますので,当該情報も御参照ください。

支払費用の同意書及び明細書(参考様式第1-8号)は,申請人が十分に理解できる言語により作成し,申請人がその内容を理解した上で署名していることが求められます。

 

(6)費用負担の合意に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能2号)
三 申請人が特定技能雇用契約の申込みの取次ぎ又は外国における法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄第2号に掲げる活動の準備に関して外国の機関に費用を支払っている場合にあっては,その額及び内訳を十分に理解して当該機関との間で合意していること。
五 食費,居住費その他名目のいかんを問わず申請人が定期に負担する費用について,当該申請人が,当該費用の対価として供与される食事,住居その他の利益の内容を十分に理解した上で合意しており,かつ,当該費用の額が実費に相当する額その他の適正な額であり,当該費用の明細書その他の書面が提示されること。

特定技能外国人が入国前及び在留中に負担する費用について,その意に反して徴収されることを防止するために,当該外国人が負担する費用の額及び内訳を十分に理解して合意していることを求めるものです。

「特定技能雇用契約の申込みの取次ぎ又は外国における法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄第2号に掲げる活動の準備に関して外国の機関に費用を支払っている場合にあっては,その額及び内訳を十分に理解して当該機関との間で合意していること」については,特定技能外国人が不当に高額な費用を支払い,多額の借金を抱えて来日するといったことがないよう設けられたものです。

費用の徴収は,各国の法制に従って適法に行われることが前提となりますが,旅券の取得等に要した費用など社会通念上,特定技能外国人が負担することに合理的な理由が認められるものについては,このルールにのっとって,外国の機関が費用を徴収することが求められます。したがって,特定技能所属機関が,職業紹介事業者や外国の機関の関与を経て,特定技能外国人を雇用する場合にあっては,当該特定技能外国人が外国の機関から徴収された費用の額及びその内訳について,特定技能外国人が十分に理解し合意を得た上で,当該費用が徴収されていることを確認することが求められます。

特定技能外国人が定期に負担する費用のうち食費については,提供される食事,食材等の提供内容に応じて,次のとおり,合理的な費用でなければなりません。

・ 食材,宅配弁当等の現物支給の場合:購入に要した額以内の額
・ 社員食堂での食事提供の場合:従業員一般に提供する場合に特定技能外国人以外の従業員から徴収する額以内の額
・ 食事の調理・提供の場合:材料費,水道・光熱費,人件費等の費用の提供を受ける者(特定技能外国人のみに限られない。)の人数で除した額以内の額

特定技能外国人が定期に負担する費用のうち居住費については,自己所有物件の場合,借上物件の場合に応じて,次のとおりでなければなりません。

・ 自己所有物件の場合
実際に建設・改築等に要した費用,物件の耐用年数,入居する特定技能外国人の人数等を勘案して算出した合理的な額

・ 借上物件の場合
借上げに要する費用(管理費・共益費を含み,敷金・礼金・保証金・仲介手数料等は含まない。)を入居する特定技能外国人の人数で除した額以内の額

特定技能外国人が定期に負担する費用のうち水道・光熱費については,実際に要した費用を当該宿泊施設で特定技能外国人と同居している者(特定技能所属機関やその家族を含む。)の人数で除した額以内の額でなければなりません。

【確認対象の書類】
・雇用条件書の写し(参考様式第1-6号
・支払費用の同意書及び明細書(参考様式第1-8号
・徴収費用の説明書(参考様式第1-9号

【留意事項】

本邦に入国するに際して特定技能所属機関等に支払う費用について,特定技能外国人が,その額及び内訳を十分に理解した上で支払に合意していなければなりません。

特定技能所属機関は,入国後に当該外国人が定期的に負担する費用(住居費や食費等)について,その額及び内訳を十分に説明し,当該外国人から合意を得なければなりません。

特定技能外国人の給与から定期的に負担する費用を控除する場合は,雇用条件書の写し(参考様式第1-6号)に控除する費用の名目及び額を確実に明記し,特定技能外国人が控除される費用の名目及び額を十分に理解できるようにしなければなりません。

定期に負担する費用のうち徴収する居住費が高額である場合には,特定技能外国人が生活する上で支障を来すことも考えられるため,徴収する金額は,実費に相当する等適正な額でなければなりません。

その費用額が高額である場合には,実費に相当する等適正な額であることについて疑義が生じることから,場合によっては追加的な立証をしていただくこととなります。

・雇用条件書の写し(参考様式第1-6号)及び支払費用の同意書及び明細書(参考様式第1-8号)は,申請人が十分に理解できる言語により作成し,申請人が内容を十分に理解した上で署名していることが求められます。

 

(7)本国において遵守すべき手続に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能2号)
四 申請人が国籍又は住所を有する国又は地域において,申請人が本邦で行う活動に関連して当該国又は地域において遵守すべき手続が定められている場合にあっては,当該手続を経ていること。

特定技能外国人が,特定技能に係る活動を行うに当たり,海外に渡航して労働を行う場合の当該本国での許可等,本国において必要な手続を遵守していることを求めるものです。

【確認対象の書類】
<フィリピン>
・海外雇用許可証(Overseas Employment Certificate)

【留意事項】

本制度では,悪質な仲介事業者の排除を目的として,外国政府との情報共有の枠組みの構築を目的とする二国間取決めを送出国政府との間で作成することとしているところ,二国間取決めにおいて,「遵守すべき手続」が定められた場合など必要な情報が示された場合には,出入国在留管理庁のホームページで,お知らせします(なお,二国間取決めを作成した国以外の国籍を有する者であっても受け入れることは可能です。)。

ミャンマーについては,同国において海外に渡航して労働を行う場合の手続を経た者は,登録証(通称スマートカード)を取得するよう勧奨されています。

 

(8)技能実習により修得等した技能等の本国への移転に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能2号)
六 技能実習の在留資格をもって本邦に在留していたことがある者にあっては,当該在留資格に基づく活動により本邦において修得,習熟又は熟達した技能等の本国への移転に努めるものと認められること。

上陸基準省令
附則第9条
この省令による改正後の出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令の表の法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄第2号に掲げる活動の項の下欄第6号の規定の適用については,前条第2項に規定する特定活動の在留資格で在留していた者も同様とする。

附則第8条
2 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律第1条の規定による改正前の出入国管理及び難民認定法別表第1の5の表の特定活動の在留資格(同法別表第1の4の表の研修の在留資格の下で修得した技能等に習熟するため,本邦の公私の機関との雇用契約に基づき,当該技能等に係る当該機関の業務に従事する活動を指定されたものに限る。)をもって在留した期間が1年を超える者であって,当該活動を良好に修了し,かつ,当該修了している活動において修得した技能が,従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められるものについても,前項と同様とする。

技能実習の活動に従事していた者が「特定技能2号」の許可を受けようとする場合には,技能実習において修得等した技能等を本国へ移転することに努めると認められることを求めるものです。

【確認対象の書類】
・技能移転に係る申告書(参考様式第1-10号

【留意事項】

「努めるものと認められること」とは,本邦で修得等した技能等の本国への移転に努めることが見込まれることをいい,実際に本国への移転を行い成果を挙げることまでを求めるものではありません。

「技能実習の在留資格をもって本邦に在留していたことがある者」には,「技能実習」の在留資格が施行された平成22年7月前の「特定活動」(技能実習)をもって在留していた者も含まれます。

技能移転の申告書(参考様式第1-10号)は,申請人が十分に理解できる言語により作成し,申請人が内容を十分に理解して署名していることが求められます。

 

(9)分野に特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの

【関係規定】
上陸基準省令(特定技能2号)
七 前各号に掲げるもののほか,法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては,当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が,法務大臣と協議の上,当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合すること。

特定産業分野ごとの特有の事情に鑑みて個別に定める基準に適合していることを求めるものです。

【確認対象の書類】
・分野ごとに定める書類(本要領別冊(分野別)を参照)

【留意事項】

分野によっては告示で基準を定めていない場合もあります。

告示で基準が定められている場合であってもその内容は分野ごとに異なります。

 

第3節 在留資格変更許可申請及び在留期間更新許可申請時の取扱い

在留資格変更許可申請及び在留期間更新許可申請においては,法務大臣が変更や更新が適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可されることとなっており,この判断については法務大臣の自由な裁量に委ねられ,外国人が行おうとする活動,活動の状況,在留の必要性等を総合的に勘案して行われます。判断に当たっては,在留資格該当性(第3章を参照),上陸基準省令(本章第1節及び第2節を参照)のほか,次の事項についても考慮されることとなります。

なお,これらの全てに該当する場合であっても,全ての事情を考慮した結果,変更や更新が許可されないこともあります

 

(1)入管法に定める届出義務の履行に関するもの

法第19条の7から第19条の13まで,第19条の15及び第19条の16に規定する在留カードの記載事項に関する届出,紛失等による在留カードの再交付申請,在留カードの返納,所属機関等に関する届出などの義務を履行していることが必要です。

特定技能所属機関においても,1号特定技能外国人支援計画の実施に当たっては,特定技能外国人にこれらの義務について十分に理解させることが求められます。

 

(2)納税義務のほか公的義務の履行に関するもの

納税義務がある場合には,当該義務を履行していることが求められ,納税義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されることとなります。

例えば,納税義務不履行により刑に処せられている場合のみならず,納税義務を履行していないことが判明し,納税義務を履行するよう助言・指導されたにもかかわらず,引き続き納税義務を履行していない場合(ただし,納税緩和措置(換価の猶予,納税の猶予又は納付受託)の適用を受けている場合を除く。)には消極的な要素として評価されることとなります。

社会保険についても,特定技能外国人が国民健康保険や国民年金に加入している又は加入していた場合は,国民健康保険や国民年金の保険料を納付していることが求められ,保険料を一定程度納付していない場合には消極的な要素として評価されることとなります。

例えば,特定技能外国人が国民健康保険や国民年金の保険料を一定程度滞納していることが判明し,保険料を納付するよう助言・指導があったにもかかわらず,引き続き国民健康保険や国民年金の保険料を納付していない場合(ただし,国民健康保険料(税)の納付(税)緩和措置(換価の猶予,納付の猶予又は納付受託)又は国民年金保険料の免除制度の適用を受けている場合を除く。)には消極的な要素として評価されることとなります。

特定技能所属機関においても,雇入時の労働条件の明示や1号特定技能外国人支援計画の実施に当たっては,納税義務や社会保険料の納付義務の履行について,特定技能外国人に十分に理解させることが求められます。

 

(3)素行が不良でないこと

素行については,善良であることが前提となり,良好でない場合には消極的な要素として評価され,具体的には,退去強制事由に準ずるような刑事処分を受けた行為,不法就労をあっせんするなど出入国在留管理行政上看過することのできない行為を行った場合は,素行が不良であると判断されることとなります。

【確認対象の書類】
○ 国税
〈確定申告をしていない場合〉
・直近1年分の個人住民税の課税証明書
・住民税の課税証明書と同一年分の給与所得の源泉徴収票
〈確定申告をしている場合〉
・源泉所得税及び復興特別所得税,申告所得税及び復興特別所得税,消費税及び地方消費税,相続税,贈与税を税目とする納税証明書(その3)
・上記税目のうち,未納がある税目に係る「未納税額のみ」の納税証明書(その1)で,備考欄に換価の猶予,納税の猶予又は納付受託中である旨の記載があるもの
*納税緩和措置(換価の猶予,納税の猶予又は納付受託)の適用を受けている場合
○ 地方税
・直近1年分の個人住民税の課税証明書及び納税証明書
・納税緩和措置(換価の猶予,納税の猶予又は納付受託)に係る通知書の写し
*納税緩和措置(換価の猶予,納税の猶予又は納付受託)の適用を受けていることが納税証
明書に記載されていない場合
○ 国民健康保険
・国民健康保険被保険者証の写し
・国民健康保険料(税)納付証明書
・納付(税)緩和措置(換価の猶予,納付の猶予又は納付受託)に係る通知書の写し
*納付(税)緩和措置(換価の猶予,納付の猶予又は納付受託)の適用を受けていることが国民健康保険料(税)納付証明書に記載されていない場合
○ 国民年金
・被保険者記録照会回答票
・国民年金保険料領収証書の写し(在留諸申請のあった日の属する月の前々月までの24か月分全て)又は被保険者記録照会(納付Ⅱ)
*国民年金保険料領収証書の写し(在留諸申請のあった日の属する月の前々月までの24か月分全て)を提出する場合は,被保険者記録照会回答票の提出は不要です。
*国民年金保険料の納付から被保険者記録照会(納付Ⅱ)への納付記録の反映までに時間を要することから,反映前に提出する場合は,被保険者記録照会(納付Ⅱ)に加え,該当する月の国民年金保険料領収証書の写しも提出してください。

【留意事項】

特定技能外国人から特別徴収をした個人住民税を,特定技能所属機関が納入していないことに起因して,個人住民税の未納があることが判明した場合には,特定技能所属機関が,特定技能基準省令第2条第1項第1号の規定に基づき,労働,社会保険及び租税に関する法令の規定を遵守している旨の基準に適合していないものとして取り扱うこととなり,特定技能外国人本人が納税義務を履行していないものとは評価しません。

国民健康保険料(税)納付証明書は,特定技能外国人が居住する市区町村(特別区を含む。)へ申請してください。

被保険者記録照会回答票及び被保険者記録照会(納付Ⅱ)は,日本年金機構の中央年金センター(郵送申請・交付)又は年金事務所(窓口申請・郵便交付)へ申請してください。

交付を急ぐ場合は最寄りの年金事務所へ御相談ください。

 

別紙

 

 

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